記事「そのステップを忘れるな」の続きとなる。
 この日は報酬期間終了間近という事もあり、久々にログイン出来た私はユニットの特殊能力付与に四苦八苦していた。
 それをやっとの思いで終えて、ふと見ると緊急クエストがもうすぐ終わろうとしている事に気付く。


彼の人と届く01
 緊急クエストは「世界を堕とす輪廻の徒花」だ。現在、終了までもう1分を切っている。
 取り敢えず受注状態にしてしまおうと、私は急ぎクエストカウンターへと赴いて、一人きりキャンプシップへ飛び乗った。

 どうしたものか。
 最近ログイン出来ていなかった事と、このクエストへのソロ挑戦がまたも大幅に期間を空けてしまっている現状を思う。動きが鈍るのは容易に想像出来た。
 しかし近日、新しい緊急クエストが実装される。そうなるとこの緊急クエストの発生頻度はがくりと落ちる事が予想された。
 挑戦するならば今なのだろう。

彼の人と届く02
 必要数あったので、「ミートレーション」を持つ。10分間打撃力を+30、PPを+3してくれるものだ。これを6個使って60分間効果を得る。
彼の人と届く03
 打撃力・射撃力・法撃力を+100、HPを+50する料理「肉野菜炒め」も持っていく。先日効果時間が5分から30分に増えたが、使うのはその瞬間だけだ。
 あとはシフタライドを購入する。よくよく調べてみるとこれはレベル3シフタに相当する効果を発生させるらしい。
 間違い無く強化アイテムを揃え、武器パレットをヴィタエスレインで埋める。そして先程特殊能力を付けたユニット一式を装備した。
 シフタドリンクEXは無事に攻撃力アップ大の効果を発揮してくれた。時々中効果になってしまうので、仮にこれが外れていたら全て台無しだった。
彼の人と届く04
 準備は出来た、とテレポーターで一人きり転送されたのだが。

彼の人と届く05
 ダークファルス・ダブルとの戦いが始まって暫くしてから、ハーフドールを持ってきていない事に気付く。この戦いで事故を起こして倒れてしまうかもしれない、そうしたらやはり全て台無しだ。そう思うと途端に緊張が高まった。
 迫り来る壁を何とか避け、堅実に攻撃を加える。
彼の人と届く06
 動き回る所為でなかなか攻撃させてくれなかったものの、48:05頃には何とか打倒に成功した。

彼の人と届く07
 【深遠なる闇】戦には47:00頃に突入する。
彼の人と届く08
 今度こそ、この一太刀は届くのだろうか。

彼の人と届く09
 花形態後半で付いた弱点はやはりカタナ以外だ。何か仕組みでもあるのだろうか。
彼の人と届く10
 32:20頃に人型形態へ移行する。あと少しだが、油断すると一気に攻撃されるので気を抜いてはいられなかった。
 飛び交うビットを何度も破壊し、ダウンしたところを斬り付ける。やがて音楽が形勢有利のものに変わったので、此処からはカタナギアを温存する為全てをステップで回避した。
 その瞬間はいつなのか。もどかしい思いで攻撃し続けていると。
『当たれば死ぬぞ』
 その言葉を待っていたと言わんばかりにアイテムパックを開く。予め合わせていた消費アイテムタブから、「肉野菜炒め」と「シフタライド」を使った。
 出現するその瞬間を見計らい、通常攻撃を早めに放つ。そしてジャストアタックしたサクラエンドを、当たり判定が発生した瞬間に叩き込んだ。
 計三回のサクラエンドをぎりぎり当てて、投げられた光球をカウンターする。ギアが発動したが、直後巨大な光の剣を構えたのでそれを回避してからカタナコンバットを発動させた。
 そして武器パレットを切り替え、アサギリレンダンを当てていく。今度こそジャストアタックで放ち、相手の動きと残りPPに気を付けながらヒット数を稼いだ。やがて限界まで当てきり、カタナコンバットをフィニッシュする。
 大きなダメージが出たが、まだ相手は倒れない。それどころか隙ありと言わんばかりに光球を投げ付けられた。ガード入力が間に合わず吹き飛ぶが、ジャストリバーサルには成功する。
 時間はもう無い。だがまだ終わりではない。
 武器パレットをサクラエンドに切り替える。逃げるように素早く動く相手を見据えて、確実に二回の斬撃を当てていく。
 そうしてそれは見えた。
彼の人と届く11
 偶然だったとしても、奇跡だったとしても。確かに結果が見えた。
彼の人と届く12
 やっと見えたその人の瞳は、何を映していたのだろう。
彼の人と届く13
 見えなくなるまで、見えなくなっても。

彼の人と届く14
 それは夢幻のひとときだったのだろうか。
 いや、確かにこの刃が切り開いた結果だ。
 届け届けと願い続けた。
 その願いは役目を終え、今はやり遂げた事実だけが此処にある。