フレンドの刻牙さんと過ごしていた時の事である。
 のんびりと会話するのも、そもそもこうして対面するのも久々だった。


 久々になってしまったのには互いに訳がある。
 私はログインが不安定になり、来られる時間帯も遅い事が多くなった。
 片や刻牙さんは回線が不安定らしく、シップ全体が混雑する時間にはよく回線落ちの憂き目を見てしまうようだ。その為ログイン時間を早めにずらしている。
 その結果としてログイン時間はすれ違い、なかなか落ち着いて会える時も減ってしまったのである。

 そしてこの久々の対面でも、刻牙さんが回線落ちしてしまう。
「ごめんね」
 再びログイン出来た刻牙さんからウィスパーで届いたのはこんな言葉だった。
「いえいえっ、事故ですからそんな……!!」
 幸いクエスト中に回線落ちする事はあまり無いらしい。最近仕様が変わり、緊急クエストなど一部の12人クエストで最初にクエスト破棄やログアウトをした者にペナルティが科されるようになり、それは回線落ちという事故の形でも適用されてしまう。ペナルティが重なるとアカウント停止処分となるらしく、この事故すら許されない点だけは非情としか言いようがない。

「一緒にクエストいけないのは残念」
 これは時間帯でも、互いのログイン時間の都合でもだ。
 そしてそれらがどうにもならず仕方無い事も、互いに理解している。
「本当に、チャンスを逃さないように……それしか出来ませんよね……」
 そんな私の言葉は少々弱気に聞こえたのだろうか。刻牙さんは一つ考えるように声を出してから、はっきりと告げた。
「まぁそのうち遊べる!」
 希望のある言葉に、私は落ち込んでいた気持ちを奮い立たせて応える。
「その内が来ると! 信じていくしかないっ!!」
 強く返事があり、互いにその時へと狙いを定めた。