「竜退治でも行きませんか」
 そんな軽い口調だが、戦いに相応しい心はあった。
 緊急クエスト「壊城に舞う紅き邪竜」へ、二人で挑んだ時の事である。


 声をかけたのはフレンドのLOSTさんだ。私はクエストへ挑む前にある確認を取る。
 素直にラコニウムソードを使うか、使わずに己の武器だけでごり押して叩きのめすか。
「私初見ですしねぇ……」
 恐らくその時、LOSTさんの口角は僅かに上がっていたのだろう。
「ごり押しで」
退治の覚悟01
 二人の合計レベルを考えて難度はハードであるが、上手くいく保証は何処にも無い。
 それでこそ、なのだ。

退治の覚悟02
 魔物種を蹴散らす事こそ簡単だが、エリュトロン・ドラゴンの部位を弱点化させずに倒すとなると相当な回数の攻撃を叩き込まねばならない。素早く動き回るエリュトロン・ドラゴンへ如何に追い付くかが鍵となるだろう。
 私はこれが通算三回目の挑戦なのだが、戦いの途中で漸くエリュトロン・ドラゴンの部位判定に気付く。爪と足は別であり、爪は破壊してダウンを狙う事こそ出来るが、その防御力が凄まじく高いのだ。ジャンプして足を狙う事で初めてまともなダメージが出せるらしい。
 しかし解ってしまえばこちらのものだ。グレンテッセンで接近し、サクラエンド零式で正確に斬り付ける。
 幾つも現れたラコニウムソードを全て無視して、嫌という程斬り刻んだ結果。
退治の覚悟03
 時間はかなりかかったものの、エリュトロン・ドラゴンは力尽きて倒れ伏した。

退治の覚悟04
「うおお……長期戦だった……」
「めっちゃ疲れましたぁ……w」
 その場にへたり込むような言葉を両者零しながらも、やはり戦いには心躍るものがあった。そんな高揚感こそ、求めるものの一つなのだ。