武具の新調、整備が出来た。
 挑戦に必要なものもひとまずは揃っている。
 あとは再挑戦する機会だけだった。

 記事「喫したものの苦み」から約一年。
 ソロ専用トリガークエスト「輝光を屠る輪廻の徒花」へ、今一度。


後悔の帰路01
 挑戦するにあたり、戦法をどうするかという悩ましい問題があった。
 問題とは、ダークファルス・ダブル戦におけるマーダ・トカッタ射出の時間をどう過ごすのかである。
 スキルリング「L/ジャンピングドッジ」を使い、上空でカザンナデシコを放って少しでも攻撃の機会を増やすか。ただしこれは、射出の直後に突進や回転壁を繰り出されてしまうとそれをまともに受けてしまう事も多々あった。
 それとも、その間逃げ回る安全策を取るか。こちらはその後の行動に対処しやすい。
 色々と強化された現状を踏まえ、ひとまずサブパレットはいざ使う時の確認も兼ねて前者のものにして、戦法は後者を試してみる事にした。

 持ち物を確認する。
 もしもの時のハーフドール。出来れば使いたくないものである。
 シフタライド5個。とはいえ、アイテムパックから投げる暇は限られているだろう。
 肉野菜炒め。いつかのアップデートで効果時間が30分に延長してくれたのは有り難い。
 ミートレーション。複数使用で効果時間を延長し、攻撃力の底上げを図る。

 そうしてトリガーアイテムを用意し、フォトンドリンクの副効果を厳選する。狙いのPAダメージアップが引けたところで、いよいよトリガークエストを受注した。
 しかし挑戦直前、キャンプシップ内で大きな躓きが発覚した。レアドロップ率ブースト系の効果を停止したところ、その結果ミートレーションが巻き込まれて効果停止してしまったのである。
 クエスト再受注猶予も此処を出てしまっては無効になるだろう。やってしまったものはもう取り返しが付かず、その侭挑戦するしかなくなってしまった。

後悔の帰路02
 最早酷く懐かしい光景である。当然ながらあちらの攻撃の記憶ももうあやふやだ。
後悔の帰路03
 これは下見だリハビリだ、そんな無理矢理に起こした気分もそこそこに転送された。

 ダークファルス・ダブル戦にて、思ったより早い段階でマーダ・トカッタ射出を始めたので慌てたものだった。何とかグレンテッセンを駆使して逃げ回り、場外からの突進も無事に回避する。中央で展開した壁を回してくる攻撃も、避けつつ隙を見て攻撃を加える。
 これはいけるかと思った終盤、またもマーダ・トカッタを射出される。それから逃れようとした直後、足元に赤黒いものが素早く迫った。気付くや否やそれは爆発し、身を跳ね上げる。其処にマーダ・トカッタの大群が押し寄せ、もう為す術は無かった。
 そうして倒れたのだが、まだ終わりではない。ダークファルス・ダブルは動きを止めているが、こちらが起きた途端に行動を再開するだろう。しかし、マーダ・トカッタが消滅時に作ったダメージフィールドがまだ残っている。これに引っかかればパニックの状態異常も相まって今度こそ終わりだ。
 ダメージフィールドを注視する。一つ、また一つと消滅し、最後の一つが消えたところでハーフドールを使用した。読み通りダークファルス・ダブルが動き出す。Lリング「L/メイトラバーズ」のお陰で素早く全快し、その後展開された回る壁を避けながら必死にコアを攻撃した。
 そうして漸くダークファルス・ダブルは倒れてくれたが、もう後が無い。

後悔の帰路04
 12:06頃、最後の戦いに挑む。
 致命的な攻撃だけは避けたのだが、当たればスタンを付与してくる追尾弾によく被弾してしまう。それを回復するのにもLリングを「L/アトマイザーラバーズ」に切り替え忘れてしまう事が多々あり、随分ひやりとしたものだった。
 何度もソロで挑んだ難度スーパーハードと比べて随分と柔らかいようで、すぐに部位破壊する感覚の違いに動揺すらしたものだ。
後悔の帰路05
 形態変化は7:38頃。此処からの攻撃も殆どが記憶から抜けており、実に危うい戦いとなった。ビット破壊の事を思い出したのも少し経ってからである。
 そうして何とかカタナギアを未発動で残した侭、あの戦いへ突入した。

 シフタライドを投げ、念の為マッシブハンターも発動させておく。現れた姿が放った光球をカウンターしてカタナギアを発動させ、すぐさまカタナコンバットを発動した。あとはぎりぎりまでアサギリレンダンで斬りかかる。
後悔の帰路06
 しかし、あと一段当てればフィニッシュを、というところで手応えが無くなった。どうやら相当柔らかいらしい。

 景色が元に戻ったが、私は焦りに焦った。此処から相手が何をしてくるのかをさっぱり覚えていないのである。大きな赤い目玉のようなものを破壊するが先なのか、ビットの群れを破壊するのが先なのか、そして破壊が遅れた時にどうなるのか。うっすらとではあるが、破壊が遅れた暁には大爆発を起こされて致命傷を受けなかったか、そんな記憶が恐怖心を一気に煽った。
 重い後悔と一縷の望みと、どちらを取りたいか。逡巡している暇も無い。
 そんな私の背中を、最後に強く、まるで後悔でも何でもしてくるがいいと突き落とすように押したのは。
後悔の帰路07
 勝ちたい。たったそれだけを、パニッシュメントナックルに込めた。

後悔の帰路08
 Sランククリアは目指していなかったが、せめて倒れたくなかったものである。
後悔の帰路09
 終わってみれば回復薬にも余裕があり、後悔は果てしない。
後悔の帰路10
 次こそは一振りだけで勝ってみたい。思いは強くなるばかりで、これが終わりではない、始まりに過ぎない事を示していた。