「夜のカフェ」となったフランカ's カフェ。
 そんな不夜城で起こった、短くも恐ろしい出来事である。


 その頃の私はぼんやりと、スクリーンショット撮影の場所でも探そうかとカフェをうろついていた。
 ふと目に留まったのは水が流れている壁である。ゆらゆらと光を映す水の壁は、VITAの画質でもやはりお洒落なものだ。
 へえ、と感心の声を漏らしかけたその時だった。
 突如がくりと下がる視界。続いて、一瞬真っ暗になる。
 その暗闇を抜けた先は、あろう事か鉄骨ひしめく空中だった。猛スピードで其処を落ちていく。
(ぎっ……!)
 絶叫を発するか否かの時だっただろう。次の瞬間、私はカフェの入り口にすとんと着地していた。

 問題の場所に戻り、足踏みして確かめるように其処を行ったり来たりしたが、再現する事はなかった。
底無しの都市伝説01
 床をすり抜けて落ちたという、にわかに信じ難い恐怖体験は一瞬の事である。
 しかしその一瞬は、この場所にいつ来ても思い出す事になるのだろう。夜に輝く都市に潜む、見てはいけないものを垣間見た気分と共に。