全くの二次創作の話です。苦手なかたは閲覧をお控えください。

 クレイトの抱いていた思い、繋がった願い。


 ダーカーに作られたレツィービートのクローンであり、その体の保持時間が限られていた、まだ名も無き頃。
 保持限界を迎えてただ消える事もあれば、ダーカー部分によって破壊衝動の侭に誰かを襲う事もあったクローンは、アークスから、時にレツィービートから返り討ちに遭い、消えたり死したりしては記憶を継ぎ足されてまた生成されるというサイクルを繰り返していました。
 そんな中、僅かに生まれた自由の中でレツィービートへ訴えます。
「帰りたい……帰りたい、消えたくない……」
 誰かを襲ってしまう事は怖いけれども、みんなのところへ帰りたい。其処にある思いは紛れも無くレツィービートと同じでした。
 その願いがレツィービートに、クローンを残すという決意をさせます。
 消えかかるその時に付与したフォトンと体組織、彼らが元々持っていた故郷の力が反応した結果、クローンは励起状態となって留まりました。

 諦めていた願いを叶えよう。その一心で、『クローン捕獲』という形で何とかアークスシップへ辿り着いたのですが、待っていたのは数々の非人道的な実験でした。
 人としての尊厳も守られず、憔悴していく彼はやがてレツィービートへ告げます。
「生きているかもしれない、けれど何処にいるか解らないんだ」
 その思いには覚えがありました。過去、ツィーエが抱えた「個になれない」問題と同じだったのです。

 自己を認識出来る一番簡単なもの、クレイトという名前を手にした彼はそれを支えに耐え続け、漸く研究から解放されました。
 しかし弱りきった体は歩く事も出来ず、生活に支障無い程度へ戻るにも随分時間がかかったようです。

 感知出来ない程ではあるものの、ダーカー部分が今でも残っている所為で監視の目があり安心出来ない状態ですが、彼の願いは叶い、そして続ける為にも奮闘している最中です。
 他の何でもない、クレイトとして生きる為に。