前回:「銀朱色した輝きの君 第1話



 全くの二次創作の文章です。苦手なかたは閲覧をお控え下さい。

 現れる思いの形。
 戸惑いながらも、向かうは先へと。




「それじゃあ、行こうか」
 レツィービートの呼びかけにこくりと頷くその表情は嬉しそうだ。
「いってきます」
「いってらっしゃい」
 翌日。住民登録をしに役所へ向かう二人を見送った後、エルダローエとツィーエへクレイトが一言告げた。
「お前達、嫉妬してるだろ」
 図星に情けない声を上げる二人の頭を撫でて宥める。あれからレツィービートにほぼ付いているのだ、彼らが淋しく思っても仕方無いだろう。



 必死に文字を思い出しながら、本人が要項へ記入していく。訂正は簡単だが、初めての大仕事にやはり四苦八苦しているようだった。
 性別は検査で確認したところ示すものが一切無かったので、備考欄に無性という記述をする。種族も検査の結果該当無しとされ、備考欄へフォトン具現体と申請を兼ねて記入した。妙なものと思われるだろうがダーカーではないのだ、危害は加えられないだろう。
 審査の結果は15分後に出るという。それまでロビーを巡る事にした。
「ここも、しってる、けれど……」
「こうして見るのは初めて、だな」
 続きを代弁すると嬉しそうに頷く。慣れたようで新鮮な、不思議な心地なのだろう。
「これからどうしたい? いや、どう生きたい?」
 レツィービートが問うと、銀朱色の瞳が真っ直ぐに彼を見詰めた。
「わたしは……、わたしも、たたかいたい。かつために」
 勝つ為に。それは二人の願いと、目指すものだ。
「そうか。じゃあ、アークス認可証の申請にも行かないとな。試験は色々あるけれど、お前なら大丈夫だろう」
「どうして、そうおもうの?」
 レツィービートは不安げな顔に、誇りを持って告げた。
「俺と一緒に戦ってくれる、お前だからな」



 審査の結果、無事に住民登録への許可が下りた。素直に検査を受けたのが功を奏したのだろう。
 続けてアークス認可証取得の申請をしておく。するとその力を見せてみろとの通達があったらしく、早速トレーニングセンターで模擬戦を行なう事になった。
 残念ながらレツィービート愛用の、そして自身であるヴィタエスレインのフォトン感応要求値には届かなかった。これは力の欠片である所為なのだろうか。代わりに初期型のカタナを貸してもらい、それを使って戦う。
 まだ未熟さこそあったが取り回しが非常に素早く、モニターを見ているレツィービートも追い付けるかどうかと疑問に思う程に俊敏だった。飛び回る的からの攻撃をきちんと避け、時にフォトンを展開して受け流し、返し刃を見舞う。
 全てが終わった頃、ダメージ蓄積量はゼロを示していた。それに係員が驚きつつ、すぐに何処かへ通信を入れる。
 模擬戦室から出てきたのを労い、レツィービートは何事かを話し合う係員を見守った。そうして長い時間をかけて漸く通信が終わり、係員が向き直る。
「後程簡易に研修を受けて頂きますが……。特例がほぼ決定しました」
 レツィービートは思わず声を出しかけたが、すんでのところで呑み込む。
「じきにアークスとして認可されるでしょう」
 銀朱色の瞳がこちらを驚くように見た。レツィービートはその頭を優しく撫でてやり、穏やかに告げる。
「これからが大変だぞ。でもお前ならきっと出来る。そうだろう、そうしてきただろう、ヴィスレン」
 これまでとこれからの言葉に、そして新たな名前に強く頷いた。



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