前回:「風の行き先 第2話



 全くの二次創作の文章です。苦手なかたは閲覧をお控えください。

 判明した事実は、怒りと悲しみと、希望を与えた。
 そして、希望は自由へと動き出す。


 三日後、クレイトの元へ通常の通信が届いた。
「クレイトさん、只今戻りました」
 サイズこそ違うが、映る姿も声も紛れもなくカカゼのものだ。
「カカゼ! おかえり、今何処にいるんだ?」
「ルームの玄関前にいるのですが……」
 何やら困った口調に、クレイトは原因に思い当たり苦笑する。
「ああ、解った、認証登録が無くて開けられないんだな。少し待ってくれ」



 カカゼはこの家には住まず、一人暮らしをするのだという。クレイト達への配慮もあっただろうが、一番は何処までやれるかを試してみたいという好奇心だった。マスターに似たのかもしれない、とはカカゼの弁である。
「偶には遊びにでも来てくれ」
「はい。有り難うございます」
 名残惜しいが、これから別の家へ住む為の準備に行かねばならないカカゼを見送る。
 しかし挨拶まで済ませたところで、カカゼが思い出したように小さく声を上げた。
「あっ、クレイトさん」
「うん?」
 するとカカゼが手を差し出す。クレイトはその手を取って、固く握手を交わした。
「私はこれからも、信じています」
「有り難う。俺も信じてる」
 これまでとこれからを誓い合い、そっと手を離す。
 別れた後も、温もりは残っていてくれた。