前回:「この声が届くまで 第2話



 全くの二次創作の文章です。苦手なかたは閲覧をお控えください。

 届けたいと願う、すけてっとの確かな言葉。




■-3

 翌朝、目覚めたばかりの頭で窓を叩く音を聞く。ベッドからベランダを見遣ると、昨日から姿が見えなかった彼の姿を見付けた。
「スー、おかえり」
 そう告げたレツィービートへ、目配せするような視線を送った彼はベランダを移動する。付いてこいという事なのだろうか。ひとまずベランダに出たが、それを目にしてレツィービートはすぐに部屋へ戻った。
「みんな、ちょっと来てくれ」
 驚きを含んだ声に、起き出して朝の支度を始めようとしていた三人も急いでベランダへ向かう。レツィービートはすけてっとをベランダから隣室に入って起こし、すけてっとは眠たげな仕草で言われるが侭にベランダを見た。
 まず視界に見えたのは風に乗って舞う無数の桜色だ。続けてその大元がある筈の方向を見ると、元気良く咲いている満開の桜があった。それに驚いてすけてっともベランダへと駆けた。
「桜! 復活してんぞ!」
 すけてっとを見付けると、まだ寝間着姿のエルダローエが興奮気味に告げる。
「しかもちょっと……いや、だいぶん成長してるな」
 髪を結っていないクレイトが驚きながら零す。以前はクレイトの背丈より少し高い程度だったが、今は立った侭木の下へ入れるような高さになっていた。腕を伸ばしてもその頂点には届くまい。
「でも、なんで一気に復活したんすかね」
 ツィーエが疑問を口にすると、つーすけがホワイトボードに何か綴る。
『さくらのおはな、ぼくたちのげんきがごはんなの』
「じゃあ、弱ってたのって……」
『もうだいじょうぶ!』
 嬉しそうなつーすけと美しく咲いている桜を見て、ツィーエは笑顔でつーすけの頭を撫でた。
「ん! みんな元気になって良かったな!」
 その側で静かに桜を見詰める姿へ、れーすけが近付く。そしてホワイトボードを見せた。
『げんき、さいたよ』
 彼はれーすけへ振り返る事こそしなかったが、聞こえるように、そして穏やかに呟いた。
「……きれい」